世界No.1の総長と一輪の花
それから詩優が私を迎えに来てくれたのは19時過ぎ。
いったい冬樹くんと何を話していたのだろうか……
詩優は何だか悩んだ顔をしていて、マンションに帰るなりいきなりこう聞いてきたんだ。
「…お前は今、幸せ?」
何でこう言ったのかわからないけど
「…幸せだよ」
私は素直に答えた。
「…そっか」
1歩、2歩、と距離をつめて、ぎゅっと私を抱きしめる詩優。
…どうしたんだろうか。
いつもより抱きしめる力が強くて、少し苦しいくらい……
私もそっと詩優の背中に手を回して抱きしめ返した。