世界No.1の総長と一輪の花
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「1つでも約束破ったらすぐ鳳凰潰しに行くから」
低い声で詩優が言う。私でも恐怖を感じてしまうような声。
「……わかってる。行こうか、花」
冬樹くんはそっと私の腕を掴んで、歩きだそうとする。けど…私は詩優を見つめたまま足を止めた。
「…詩優……?」
冬樹くんと2人で話していいってこと…?
「…19時までには戻って来て。あと、何かあったら俺にすぐ電話して……迎えに行くから」
詩優は私に手を伸ばして、頬に触れる直前で手を下ろした。
「花、行こう」
冬樹くんは私の腕を引いて、学校前に止まっていたタクシーに私を乗せる。
冬樹くんも私の隣に乗り込む。
「それじゃあ、お願いします」という冬樹くんの言葉でタクシーが発進した。
詩優は私たちが乗ったタクシーを見つめて、手を振っていた。少し無理した笑顔で………
私はこの日、詩優から離れるべきじゃなかった。