世界No.1の総長と一輪の花







約束の日、花莉は榊に腕を引かれて行ってしまう…かと思ったら足を止めて少し不安そうな表情をする。




本当は行かないでほしい。だから……花莉に手を伸ばして止めようとした…けど、止めるのをやめた。





…この時、止めておくべきだった。






倉庫に行って少したった頃、電話がかかってきた。その電話の相手は"榊"。




嫌な予感しかしなかった。




『母親のことを話したら花がっ…!花がいなくなった…っ!』




その言葉を聞いた瞬間、心臓が止まるかと思った。俺は京子に花莉の追跡を頼んでから、花莉の元へ向かった。




花莉は公園で1人で泣いていて、俺を見つめたその瞳は不安げに揺らいでいた。





…泣きすぎ……





過呼吸にまでなりかけてるし……今の花莉は不安定だ。




この日は花莉と母親を会わせることなく、部屋に連れて帰った。



































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