世界No.1の総長と一輪の花









「ここをこう、強く引っ張って」




俺の前でぎゅっと目を瞑って自分の頬を指さす花莉。




……可愛い




俺は花莉に顔を近づけて、唇にキスをした。パチッと目を開けて、「違っ!!」と声を上げて顔を赤くする。




「き、キスじゃないっ!!」


「可愛かったから、つい」





「なっ…!!」




ぽんぽんと頭を撫でると、「…こういうのやだっ!!」と言われてしまった……




でも言葉だけで抵抗するだけで、何だか嬉しそうな顔をするからそのまま撫で続ける。




「…つ……甘やかさないで…っ…」




頭を撫でている手に自分の手を重ねた花莉は、そっと俺の手をおろす。





「………詩優みたいに強くなりたい…」





呟くように言葉には悲しさが含まれている。





「…私は…強くないの………

お母さんとちゃんと話したい……から…一緒にいてほしい…」





花莉は覚悟を決めたような真っ直ぐに俺を見つめる。





「いいよ」





充分強くなってると思うけど…そう言うと否定されそうだ。




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