世界No.1の総長と一輪の花










「ねぇ、聞いて」




倉庫に行けば、京子はご機嫌で俺らに話しかけてくる。




「今日、世界一可愛い子と仲良くなったんだぁ」




"世界一可愛い子"




その言葉に納得。




「悪い虫がつかないようにはしておくから。まぁ、頑張りなさいよ」




俺に視線を送って、にやりと笑う京子。




「…何を」




わざととぼけてみる。
京子は倫也よりも鋭いやつだけど…




何でもう気づいた…?




「花莉に熱い視線送りすぎなのよ」


「…送ってねぇし」





「あっ!でも!残念だけどあの子彼氏いるって」


「!?」





勢いよく立ち上がった。あまりにも衝撃的すぎる言葉だったから。





確かにあんなに可愛いと彼氏くらいいてもおかしくないよな…




「毎日彼氏とあつーいキッスしてるって」





さらに追い討ちをかけてくる京子。




……毎日!?
いや、でも俺らも高校生だし…





あの子が他の男とキス…してるだなんて考えるだけでもやもやしてくる…






「奪っちゃえば?」




囁くように言ってくる。
まるで悪魔の囁き。








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