世界No.1の総長と一輪の花
体が凍りついたように動かなくなる。
そんな私を見て今度こそ部屋を出ていこうとする男。
…ダメっ…このまま行かせたら詩優が……
私は無理矢理体を動かして、金髪男の手に握られた拳銃を奪い取ろうとしがみついた。
「チッ」
男は舌打ちして、強い力で私を引き剥がすとソファの上に投げ捨てた。
そして…
私の首の根を絞めるように掴む。
手に強い力を加えられて、息ができなくなる。
「…うっ……あっ…」
手を離して欲しくて必死に男の手首を掴んで離そうとする。けど、男女の力の差ではどうすることもできない。
目には涙がたまり、視界がぼやけていく
声が出なくて、誰にも助けを呼ぶことができない。
…詩優………
詩優の笑顔が脳裏に浮かぶ。
…もう…だめだよ…
苦しいよ……
ごめんね、詩優……
私はもう…だめかも…
徐々に体に力が入らなくなり、意味の無い抵抗を繰り返す。