世界No.1の総長と一輪の花
…鳳凰!?
「…女、お前はここで夜瀬詩優がくたばるところでも見ておけ」
金髪男がすごく低い声で言うと、殺気が伝わってきて思わず体が震えだす。
…たぶん、この人が話で聞いた海斗さんだろう。
そして…目の前の男が出したものに目を疑った。
だって…それは……黒くて艶のあるもの…
拳銃だったから…
っていうか…この人…今、"夜瀬詩優がくたばるところでも見ておけ"って言った!?
ドクン…と心臓が嫌な音を立てる。
それで…詩優を……
考えただけで怖くなる。
「…やめて……詩優を傷つけないで…」
必死に出した声は情けないほど震えていた。
「……」
そんな私を無視して部屋を出ていこうとする男の手を「待って…っ!!」と引っ張って引き止めた時
バンッ!!!!!!!!
乾いた音が部屋に響く…
つぅ…っと私の頬からは血が垂れて…
男が私に拳銃を向けていた。その銃口からは硝煙が上る。
「…邪魔すんならてめぇから殺す」
低い声で言われ、私は顔の横を拳銃が掠ったことを理解した。
たぶんわざと外してくれたのだろう……