世界No.1の総長と一輪の花
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「花莉、おかえり」
アパートに帰ると、お母さんが帰って来ていた。
今は17時過ぎ。お母さんはいつも20時前後に帰ってきているから、私より先に帰っているのは珍しい。
「…ただいま」
「…花莉、最近どう?夜瀬くんやお友達とは」
心臓がドキリとした。
お母さんには詩優と別れたことを伝えていなかったから。
「……えへへ、実は別れちゃった…」
気にしていないふうを装った私。
「……そうなのね…」
お母さんは途端に申し訳なさそうな表情へと変わる。
「気にしないでっ!!」
お母さんは少し黙った後、
「…花莉、お母さんね…花莉に言わなくちゃいけないことがあるの」
…言わなくちゃ、いけないこと…?
「…な、に?」
「お母さん、転勤することになったの」
「…転勤…?」
「それで…ここから遠いところに異動になったの。だから…花莉も一緒についてくるか聞こうと思って…」
「…私っ…お母さんと一緒に行くよ?」
「一緒に来るってことはね、ここから引っ越して…転校もしなくちゃいけないの。
…だから、花莉がここに残りたいのであれば無理に連れていこうとしないわ」