世界No.1の総長と一輪の花
私の手を引く詩優の手は大きくて、温かくて……その温もりが懐かしくて……涙がこぼれ落ちる。
もう二度と来ることはないと思っていた詩優の部屋へとやって来ると、もっと涙が止まらなくなる。
「……ごめん、花莉。俺、嘘ついてお前のこと傷つけた」
私をぎゅっと強く抱きしめてくれる詩優。
「…嘘?」
「……好きな女できたって言ったの…あれ嘘だから……本当にごめん」
…幻聴かと思った。
でも、幻聴だったら嫌だ……
「……ど、して…そんな嘘……ついたの…」
「…花莉が海斗に…首締められた時、怖かった……お前を失いたくないと思った……
だから、族と関わらなければお前が狙われることもなくなるんじゃねぇかと思ったんだ……
けど…今日、花莉をまた危ない目にあわせた…」
「…馬鹿っ!!!!!私は……どんな目にあっても…詩優と一緒にいたいに決まってる…!!!離れてる間、辛くて…苦しかったんだから…っ!!!」
「…ごめん」