世界No.1の総長と一輪の花






…な、んで……ここに…




「…お願いします」




お母さんに頭を下げる詩優。




「…いいわよ。

花莉も言いたいことあるだろうから、夜瀬くんさえ良ければ泊めてあげて?」




ちらりと私に目を向けるとお母さんは、ウィンクをした。





…え!?




「ありがとうございます…!!
俺は全然大丈夫なんで、あとは花莉の意思に任せます」




……と、泊まり!?




"泊まりたい!"ってすぐに言えるほど私は馬鹿じゃない……だって、私たちはもう別れているのだ。もう恋人じゃないんだ……





詩優には好きな人がいるんだ……





「花莉、後悔しないように行ってきなさい」




お母さんは私の方へと来て、ぽんっと背中を優しく押してくれる。




「…っ……行ってきますっ…!!」




私がそう言うと、詩優はぐいっと私の手を引いて歩き出す。





最後に、思い出だけでも……なんて言う欲があったせいでそんなことを言ってしまったんだ。









< 585 / 599 >

この作品をシェア

pagetop