大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
一気にまくし立てると、呆気にとられている千草と……その背後でくすくすと笑っている男。
その男は席を立つと、私たちの席まできた。

「酷い言われようですね」

「えっと……」

すらりとした長身。
短めに切り揃えられた清潔な黒髪。
涼やかな切れ長な目に、スクエアの黒縁眼鏡。
薄い唇の下には、ほくろ。

……こんなイケメン、一度見たら忘れられないと思うんだけど。

でも、記憶のどこを探っても見あたらない。

「お忘れですか?」

「……文、誰?」

ぼぅっと見とれていた千草が聞いてくる。

……うん。
私のほうが知りたい。

「ああ。
これでどうですか?」
< 17 / 32 >

この作品をシェア

pagetop