大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
「へ、へー」

「だから和久井先生には文を任せられると思うの。
よかったね、文。
いい人に出会えて」

「……」

わずかに涙ぐんでさえいる千草になんて答えていいのかわからない。
あいつはただ、自分の性癖を満たしてくれる、いいおもちゃを見抜く力があるだけだと思いますが?



次の日。
ひとりで行くっていう私に、千草はひかる歯科までついてきた。
病院の中に私を押し込んで「がんばって」と背中を叩き、会社に戻っていった。

「都築さーん」

すぐに順番になって診察室に呼ばれた。
やっぱり椅子に座ると、器具を準備するがちゃがちゃという音やコップに水がじゃーっと入る音がドナドナを盛り上げる。

「じゃあ、今日は右上の親知らず、抜きますね」
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