うさぎに罪はないがうさぎ好きな彼は罪深い
もふもふの生き物がもぐもぐおやつを食べているのって、堪らんですよ!
ああ、斉藤さんの気持ちがわからなくもない。

「うーたん、可愛いですね」

ケーキを食べながら私の口から出たのは、いつもの社交辞令ではなく心からの言葉だった。
だってほんとに可愛いんだもん。

「だろ。
……うん、でも、……うーたんと遊んでるときの朝比奈さんの方が、その……可愛い」

「……はい?」

……この人は赤くなって、なにを突然言い出すんだろ?

「別に、誰でもうーたんに会わせてるわけじゃなくて、その、朝比奈さんはいつも僕の話、ちゃんと聞いてくれるし、その、ご褒美欲しいって言っただろ?」

「……はい」

うん、忘れたことにしたかったけどね。
家にまで呼び出して、なにをさせられるんだろう。
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