うさぎに罪はないがうさぎ好きな彼は罪深い
「反対に僕は、できない理由がわかんないけど?」

なんなんだろう、この自信。
私にはよく理解ができない。
あんな大口叩いておいてもし失敗したら、とかいう恐怖はないんだろうか。

「朝比奈さんも僕のこと、信用してないの?」

「えー、えっと……」

じっと、レンズ越しに斉藤さんが見つめてくる。

いままで彼は有言実行、言ったことは必ず可能にしてきた男だっていう話は聞いている。
でもこの契約、そして売上の話はいくらなんでも無理なんじゃないだろうか。

私が言い淀んでいると、彼ははぁっと短くため息をついた。

「まあいいよ。
信じられないのも無理ないかもしれないし。
じゃあさ。
契約取れて売上伸びたら、ご褒美頂戴」

「ご褒美、ですか……?」

「そ、ご褒美」
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