うさぎに罪はないがうさぎ好きな彼は罪深い
そんなの無理だろって顔に書いてあるし、実際みんなそう思っているだろう。
私だって、そうだし。

「余裕、ですね」

何事もないかのように、さらりと斉藤さんは言ってのけた。
可能なんだろうか、本当に。


「斉藤……」

「あ、朝比奈さん!
見て見て、新しいうーたんの写真!!」

会議が終わって声をかけたけれど、私がなにか言う前に携帯を押しつけられた。

「えっ、あ……
じゃなくてですね!」

「……なに?」

眼鏡の下の眉を寄せ、みるみるうちに彼の機嫌が悪くなる。
そんなに、うーたんの話がしたいのだろうか。

「さっきの。
本当にあんなの、可能なんですか」
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