dirty tear
受容と挑戦
夏休みになる頃に、私たち三年生は部活を引退しました。私は、長く続いた情緒不安定からやっと解放されたのです。

夏休みになると、自分が興味のある学校を見学することのできる「オープンスクール」が始まります。私は緊張しながら、自分の興味のある動物関係の学校を見て回りました。

そんな時、両親からこう言われたのです。

「福祉に興味はないか?」

両親は、盲導犬訓練士はきっとなりたい人が多くいると言いました。とても狭き門だと言いました。介護は、少子高齢化が進んでいるこの国で必要とされている職で、就職先にも苦労することはないと言われました。

私は、母から介護の話を聞かせてもらいました。そして、進路を動物から福祉に変えることにしました。

私が希望した高校は、「行けるかどうか厳しい」と先生に言われました。それでも、介護の道へ進みたいとその時から強く思い始め、何としても受かってやると思いました。

前期選抜と後期選抜というのがあり、二月に行われる前期選抜は試験内容は作文と面接だけです。三月ーーー中学を卒業してすぐに行われる後期選抜では、五教科のテストと面接になります。
< 28 / 38 >

この作品をシェア

pagetop