最上階ロマンス
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朝食を食べ終え…、琢磨の言うがまま…出かけることになった実咲…

マンションから出よう…とした矢先…

「あ! そうだ。。手、出せ…」

ショートブーツを履こうと腰を下ろしていた実咲は、琢磨に言われるまま…右手を差し出した…

その手のひらにコロン…と、渡されたモノ…

「…指輪…?」

「一応、形から入らないとな…。
アイツら、感だけはいいから…」

と、独り言のように呟いた…。。

琢磨のその言葉に、実咲は、琢磨を見上げながら…

「【アイツら】って?」

「来れば分かる…」

そう、言うなり…。。何かを企んでいるかのような…笑みを見せた…

「…。。」
《誰と会うのよ~!

しかも、結婚指輪まで用意してるだなんて…、なんて用意周到なの?》


実咲は、仕方なく…琢磨から貰った指輪を左手の薬指にはめた…

微かな違和感を感じた…。。結婚もしていないのに、薬指に指輪をはめる…なんて…

いつか…、誰かのために、この指にはめたかった指輪…。。いま、この状況ではめることになろうとは…夢にも思わなかった…


左手の薬指は、心臓からの血管が1番近い場所…、
指輪の意味は、《私の心はあなたのモノ》…という意味…

「……」
《私の心は……っ?》



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