アタシに付きまとう彼が愛おしい

アタシたちはシール出口のとこに向かって、シールが出てくるのを待った。



その時、誰かに見られてる気がして、後ろに振り向いたら…



「葵…?」



静かな声で葵の名前を呼んだ。




「ねぇ、葵?どうしたの?」



沈黙がアタシたちの間に流れる。



「今からイタリア料理店に行くんやって!」



元気よく、美玲が言ってきた。



ゲーセンからイタリア料理店に移動した。


移動中でも、アタシは葵の事を頭から離れんやった。


「うわぁ、凄ーいね」



美玲がそう言いながら、みんなで店の中に入った。

席は6人と4人に分かれて適当に座った。

アタシは最後だったみたいで、残された席はあそこしか無くて、美玲の隣に座った。

アタシが座っている席は4人用で、仲村も葵も一緒。


「スマホみて」


美玲が小さな声で言ってきた。

言われた通りにスマホを見たら、美玲からLINEが来ていた。


《葵がさっきからずっと視線が怖いですけど?なんなら席変えて欲しいね!好きな人がここに来て欲しいのに…》



そしたら、アタシも



《アタシも神谷くんがここに来て欲しいのに…》


と悪態をつきながら返事を打った。



《じゃあ、向こうにいる人に上手くお願いしてみる!》



美玲の好きな人と、神谷くんがここに来て、仲村と葵は向こうに行った。


何か、仲村が男1人だけじゃ寂しそうだから平等のために代わってあげてって、美玲が言ったみたい。


「成功だね〜!」


と、美玲が言ってきたら…



「何でだよ!何で、私が向こうに行かなきゃいけないわけ!?2人にして好きな人と向かい合わせにするなんて可笑しくない!?」



そう声を荒げしてた。そんな葵にどう対応したらいいか分からなくて、アタシは黙るしか出来なかった。


なんていうか、今日は色々と大変だった。

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