恋愛境界線
第13章 始まる二人、降り積もる恋情
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「退院おめでとう!」

病室の荷物を片付けていると、看護師の今田さんがいつもの朗らかな笑顔でそう言った。

「ありがとうございます。1週間お世話になりました」

「ちゃんとご飯食べるのよ」

「はい、気を付けます」


私はまとめた荷物を持って、ベッド脇の椅子の上に置く。

「お母さんは?」

「いま退院手続きをしに行ってくれてて」

そんな話をしていると、廊下から足音が近づいてきて入り口前で止まる。



「ああ、本郷先生」

今田さんがそう呼ぶ声で、私の心臓が跳ねあがる。

「準備できたのか」

「あ……はい!」

声が裏返って、恥ずかしくてつい両手で口を押さえる。


昨日、告白されて付き合うことになってから今、初めて会う。

どんな顔をしたらいいかわかんないよ!


なのに先生はいつも通りの涼しい顔。
緊張してるのは私だけ?
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