恋愛境界線
「…夢、じゃなくて良かった」

「え?」

「君がそうやって笑っていることが、昨日のことが夢じゃなかった証拠だな」


先生はそう言って笑う。

先生、昨日から普通に笑ってる顔を見せてくれる。
そうやって笑ってくれるようになったのは、私がそばにいるから?

なんて、思い上がってもいいかな…?




「夢じゃ…ないですよ」

「え?」


顔を赤らめる先生に私はゆっくり歩みより、
先生の目の前で立ち止まると
背伸びをして左頬にキスをする。


「これで夢じゃないって、確信できましたか? 」

不意打ちだったためか先生はしばらく固まって、数秒経ったあとに状況を理解できたようで、さらに顔を赤らめる。


「なっ…!?」


「ごめんなさい。顔を赤らめる先生が可愛くてつい。嫌…でしたか?」

「い…嫌だなんて…そんなわけ…」


戸惑う先生、本当に可愛い。
なんて愛おしいんだろう。
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