恋愛境界線


「これは、こうだな」


カレーを食べ終わったあと問題集を広げる。
問題を見た瞬間、すらすらと解いて解説する隼人さんを見て圧倒される。


「やっぱり凄いね、隼人さんは」

「たまたま俺のわかる問題だっただけだ」


隼人さんは顔も整っていて真面目、頭もいいし医者としてもかなり優秀なはずだ。
なのに全く偉そうにしない。

こんな素敵な人が、私みたいな何もないただの女子高生と付き合ってくれてるなんて、本当に信じられない。
周りからみたら、完全に釣り合ってないよなあ…。


そんなことを考えていると、ふと目が合う。

あ。
私が上の空だったの、バレた?

「ごめん、ちょっと考え事を…」






そう言おうとした瞬間、私の唇に隼人さんの唇が重なる。

いつもは"そういう雰囲気"になったらキス、なのに珍しく、いきなりのキスだった。
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