恋愛境界線
「ちょっと、先生。邪魔なんだけど」
4月下旬になり、もうすぐゴールデンウィークを迎えようとしていた。
先生が勉強を教えてくれるというので、私は放課後に社会科準備室に来ていた。
「いいじゃん、ちょっとだけ」
「ちょっとじゃない。私が来てからずっとじゃないですか」
椅子に座ってノートを開く私を、先生が背中からずっと抱き締めて離さない。
「ごめんって。可愛くてつい。こっちむいてよ」
私が振り向くと、軽くキスをして先生は笑う。
「……っ…!もう」
先生はずっとこんな調子で、私は振り回されっぱなしだ。
心臓が持たない。