恋愛境界線

「でも、一緒にいる時間が増えてわかったのは、雪花は優姫と性格が真逆だってことだ。

優姫はいつも穏やかで、素直で、おしとやかな感じの人だった。


けど雪花はとにかく素直じゃなくて。
”もっと甘えてくれてもいいのにな”って思うくらいに。

ちょっと意地悪言ったらすぐ拗ねて、そっぽを向いて。
そんなところが可愛くて可愛くて仕方なくて。
いつもいじめちゃってた。

僕、こんなサディスティックな部分があったんだって初めて気づいたよ」



私、褒められてるのかけなされているのか…。
どっちなんだろう…。

微妙な気持ちで話の続きに耳を傾ける。



「優姫と重ねていたときは何度かある。
それは謝らないといけない。
でも彼女はもう、”思い出”だ。

けど、僕は”雪花”のことが…”赤坂雪花”を好きだってちゃんとはっきり言える。
だから…」



「ごめん」



振り返った先生と目があった。
先生の目には涙が滲んでいた。
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