あなたの青 わたしのピンク
それに合わせ会場の観客はリズムを刻み体を揺らした

アレンジはされていたけどハルのアルバムの曲だった

会場に来た人達はアルバムを聴いているのだろう

いつの間にか観客は同じリズムで拍手をしたり

両手を頭上にあげてリズムに合わせて左右に揺らした

ハルの公演に合わせてハルのバンド以外の演奏を

見たことはあったのだけどこんなことははじめてだった

周りの観客と一緒に踊りながら

愛果は今夜のこの奇跡に驚きと此処にいる奇跡を味わっていた

一曲目は大成功に終わった

会場が割れんばかりの拍手が沸き起こり

演奏が終わりハルが今夜ここに来てくれたお礼と

バンドメンバーの紹介をした

「今夜は思い切り楽しんで下さい。」

そう挨拶を終えるとハルは再び始めた

観客は音楽に合わせて思いのままに踊ったり

拍手でリズムを刻んだり

腕を頭上に伸ばし左右に振って楽しんでいた

そのモチベーションのまま数曲演奏をした

そして休憩の為にバンドメンバーは全員舞台を離れた

暫くしてハルが一人舞台の中央に現れた

ハルの後ろから椅子を持ったスタッフがやってきて

中央に椅子を置いた

ハルがその椅子に腰かけると

もう一人マイクスタンドを持ったスタッフがやってきて

椅子に腰掛けたハルの前にマイクスタンドを置いて舞台を後にした

スポットライトに照らされたハルが

メンバーがいなくなり暗くなった舞台に浮かび上がる
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