明日、あなたに別れの言葉を
「でも、それも終わりかもな…。」

小さく呟く言葉が微かに聴こえたのか

「え?なんて?」

と、さとやの意識が私に戻ってきた。

「今日の晩御飯何にしようかなってね。」

にこりと笑いながら私はウソをつく。

さとやの記憶刻まれている最近の私はウソで塗り固められている笑顔ばかりだろう

何年も積み重ねられたウソの私にさとやは気付くことはないんだろうな。

だっては私はさとやを見るたび泣きたくなるばかりだから。

あんな提案するんじゃなかった。

いつか別れると判っていたのに。

それが今なんて辛い。

この繋がれた手さえ、私の涙をさそう。
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