明日、あなたに別れの言葉を
「葉子は笹山さんのことが好きなんだろ?」

「…は?好きじゃないよ。笹山さんのことが好きなのはさとやでしょ?」

「好きじゃないよ。俺は葉子が好きなんだから。」

「え?」

「…あ」

と口を抑えて真っ赤な顔を抑えるさとや。

私は言葉の意味が理解出来なくてさとやの言葉を繰り返しす。

ヨウコノコトガスキナンダカラ

ヨウコって誰?ヨウコは私…。

脳が言葉の意味を理解した瞬間、カーッと身体が熱くなる。

「え?…あ。え?」

詰まる私にさとやが近づいて、

「葉子。」

と呼ぶ。

真っ赤な私はうつむきながらさとやに視線を向ける。

さとやも真っ赤になりながら私を見つめる。

そして、さとやが口をひらく。

「…葉子、ずっと好きだった。偽彼女じゃなくてちゃんと彼女になってくれませんか?」

あぁ、これは夢だろうか。

今、さとやは私を見つめて私を好きだと言ってくれている。

ポーッとしている私にさとやが

「葉子…返事は?」

と聞いてくる。

頭の中で好き好き好きと好きが溢れて、私はさとやに向かって抱きついてしまった。

しかし、抱きつくとは思ってなかったのか、さとやはバランスを崩して後ろに倒れ込んでしまった。

「イッター!」

と、さとやの声に

「ご!ごめん。」

と慌てて退こうとするがさとやの腕に阻まれ動けない。

「さとや?」

と名前を呼び、顔を見ると。

さとやは笑っていた。

あの時見た優しい恋する顔で。

その顔を見つめているとさとやの手が私の垂れ下がった髪を耳に掛けると頬に触れた。

「葉子…返事。」

まるで、いとおしいというようように見つめられ、頬に触れられる。

「私もさとやが好き…。本当の彼女にしてください。」


そして、私たちは初めてキスをした。
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