名もない詩集



誰もいらないの
何もいらないの

全てはただ
私を悲しくさせる
それだけだから

寒い夜に毛布が無いなら
凍えて死ねばいいの

思い出さえ
壊れて汚されて
そんなものを
大切に握ってた
血だらけの手


確かなものは
いつだって痛みだけ
甘い日々なんて
壊れて苦しいだけの
重い荷物よ
悲しい夢から
醒められないなら
無い方が楽


もう誰も待たない
もう誰にも
期待はしない

期待する方が
身勝手だよ

人は自由なの
私をわからない人に
傷つく事も無い
それでも悲しいのは
一人で生きてるから


さよならこの世の全て
色の無かった景色
聞こえない音楽
心を打たない文字

私は今本当に
自由になって
初めて幸せを知る

人はしょせん一人よ
眠りの中まで
一緒にはいられない

暖かな人は
どこにいますか

魂の汚れていない
仲間はどこにいますか

家族にさえいない
永遠の旅でも
命はつきるのだから


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