行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
「改めましておはようございます。神野学、28歳です!」

朝の情報番組の番宣か?というような自己紹介に圧倒されるも、波留斗は、学に差し出された手をとり握手した。

「南條ビバレッジでDenizの広報を担当しています部長の南條波留斗です。mirayさんとは親しくさせていただいております」

波留斗は、握った手をギュッと握ると、黒い微笑みで見つめ返す。

「wow、イケメンの牽制はずいぶん迫力あるね。惚れてしまいそうだ」

学の言葉に、ゆっくりと繋いた手を離す。

「それよりmiray、今日はオフだったんだろ?この後お茶でも・・・」

「いえ、mirayはこのあと南條ビバレッジで新発売のDeniz 3rdについて打ち合わせです」

すぐさま、波留斗に興味を失った学に、波留斗は間髪いれずに牽制を続ける。

「really?じゃあ、しょうがないね。今夜またスマホに連絡いれるよ。miray、そして波留斗さんもお疲れ様」

クスっと笑った学の余裕綽々そうな態度に腹が立つものの、同じ男としてだけなら懐の深さを感じて好感が持てる。

「わかった。マナブン、お疲れ様」

ニッコリと笑うさくらに、学はさっと近づき、頬にキスを落とすと

「chao、またね」

と、波留斗に向かって舌を出して笑ってスタジオを去って行った。
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