行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?

エピローグ

「しかし、南條さんとさくらが結婚してたなんてなー。俺たちにも隠してるなんて水くさいぞ」

「ほんとよね」

TBU社長の新山拓海と副社長の望月桃子がさくらを攻め立てた。

「ごめん。忙しくてさ」

素性を公表したさくらは、今後もmirayとしてモデルとアニメ声優の仕事は続けることになっていた。

mirayファンクラブ会長、西園寺護が

「私はまだまだ現役だ。西園寺コーポレーションの跡継ぎ問題はまだまだ先。波留斗には、さくらと一緒に西園寺の関連会社を任せるところから始める。さくらはmirayの仕事の傍らで西園寺を支えてくれればいい」

と言ってきたからだ。

その事で、4月から西園寺コーポレーションの重役に収まる予定だったさくらの人生設計はまっさらに戻った。

「それなら、TBUにも席を置いといてくれよ。お前の経営手腕なしには成り立たない。もっとここをデカくしたいんだ」

拓海の野望にさくらは微笑んで頷いた。

「あーあ、波留斗が西園寺に移ったら俺一人になるよ」

南條ビバレッジの広報副部長だった廣瀬千歳は、波留斗の退職に伴い広報部長に引き上げられた。

「兄さんを支えて盛り上げてくれよ」

「言われなくても頑張るよ」

千歳の言葉に、波留斗も力強く頷いた。
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