行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
『西園寺さくら・・・?』

『西園寺コーポレーションの娘か?』

『triple birth unionの専務でもあるぞ』

押し掛けたマスコミ関係者からそんな言葉が漏れ聞こえる。

そして、登場したさくらに息を飲む声が響いた。

さくら色のドレスに身を包んだ西園寺さくらはどう見ても生粋のお姫様だ。

男性には決して見えず、色気さえ漂わせている。

「それでは、ご質問がある方は挙手をして順番にどうぞ。ただし、商品に関わることのみの質問とさせて頂きます」

MCの言葉に、待ってましたというように会場から手が上がる。

「Deniz 4th(final)のテイストをグランベリーに選んだのは、何が決めてだったのですか?」

男性記者からの質問には、南條ビバレッジから波留斗が回答した。

「人生に迷い、道を見失っても、たどり着くのは愛情ではないかという考えから、グランベリーテイストを選びました」

「ゲームのエンディングを考えたのは望月副社長ですか?」

続いての質問には、TBUから望月桃子が回答した。

「3rdシーズンまでは南條ビバレッジとTBU側で話し合って方向性を決めました。しかし、エンディングを決めたのは当社の専務取締役である西園寺さくらです」

専務という言葉に、会場のファンから驚きの声が漏れる。

ただのモデルではなく、企画も運営もする美女。

「この結末にしたのは、西園寺さんも何かしら思い入れがある出来事があったからでしょうか?」

「そういったご質問は・・・」

プライベートに踏み込むと判断したMCが質問を却下しようと言葉を発したとき、それを遮るようにMCに目配せをしてそれを止めた。

「このお仕事を始めた当初、私も人生に迷い、途方にくれていました。そんな中、Denizとfinding southwest fantasiaを通じて、様々な出会いと支えを得、本当の自分と周囲に向き合えた。そして大切な伴侶を得ました」

伴侶という言葉に会場がざわつく。

一旦、言葉を区切ったさくらは、微笑みながら言葉をつなぐ。

「Denizとfinding southwest fantasiaを通じて、皆さんにも幸せな未来と不滅の愛を見つけて欲しい、そう願っています」

さくらの言葉に、会場から拍手が起こる。

その後、商品に関するいくつかの質問を受け、グッズ配布やDenizの試飲を経て、イベントは終了した。
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