行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?

ミライ

「へえ、勝手に面白いことになってんなぁ」

週明け、代休消化後の火曜日、さくらと桃子、拓海は重役会議室という名のプライベートエリアに集まって顔をつき合わせていた。

「ねえ、これなんだけど、さくらをイメージしたメインキャラどれがいいと思う?」

この2連休、桃子はガチでキャラデザインを仕上げてきていた。

中性的なヒーロー?ヒロイン?

どちらともとれる魅力的な主人公候補たち。

男よりなのか、女よりなのかの違いはあれど、確かにその容姿も雰囲気もさくらの長所をうまく引き出せそうなキャラばかりだった。

「で、ゲーム本体の流れはどうするつもり?あちらさんとの共同開発になるんだろ?勝手に決めていいのか?」

「微炭酸飲料水のイメージに沿っていて、倫理に反さなければこっち主導で構わないって言われた」

シナリオとキャラ設定は桃子の仕事。

"ミステリアスなキャラクターの秘密を解き明かすための旅に出るロールプレイングゲーム"

"その鍵を握るのが、南條ビバレッジの新開発した微炭酸飲料水・・・"

"出生の謎解きをしながら進むストーリーは老若男女に受け入れられるものにしたい"

三人はいつの間にか、このゲームとキャラクター作りに夢中になっていた。

2次元と3次元のコラボレーション。

言わば、さくらの演じるイメージキャラクターは2.5次元に現れた新キャラだ。

"ワクワクする"

胸に沸き上がる未だかつてない興奮に、さくらは胸を踊らせるのだった。

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