行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
「こっちだ」

波留斗に案内された商品開発部。

そこには、白衣を着たボサボサ頭の、いかにも研究者といった風情の男性と小柄で可愛らしい女性がいた。

「坂井、倉永、彼女は"triple birth union"の専務、西園寺さくらさんだ」

男性の名は坂井大和、女性は倉永菜摘。

二人がDenizを開発した研究員だそうだ。

波留斗は、今回のプロジェクトの概要と、Deniz(仮称)のプロデュース方法について二人に話して聞かせた。

「Denizかぁ、いい名前だね。大和」

「ああ、こいつの味に合ってる」

大和は、愛しそうに4種類の微炭酸飲料水のボトルを撫でた。

パッケージも、フォルムも、まだ決まっていない。

「どうぞ」

さくらが手渡された微炭酸飲料水を口に含むと、口の中に、何とも言えない奥深さが感じられた。

材料は・・・?色は・・・?香りは・・・?

そうやって突き詰めてみたくなる

謎めいたmirayのキャラクターと同じような

それは、

かつて味わったことのない、中性的な感じのする魅力的な飲み物だった。
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