行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
「miray」

「波留斗」

柱にもたれて、タブレットを操作していたさくらを見て、波留斗は微笑んだ。

「待たせて悪かった」

「いや、そんなに待ってないよ。時間より前に着いたしね」

黒髪に、浅めのツーブロックヘアの波留斗は、ブランドもののお洒落なビジネススーツを着こなしている。

波留斗と中性的なmirayが並ぶと、友情なのか、恋情なのかわからない美しくも危うげな雰囲気が漂った。

「行こうか」

「うん」

新商品の゛Deniz゛に関する情報は、まだ、一般社員にはおりてきていない。

笑顔を交わし合う二人の関係は不明なままだ。

二人がエレベーターに消えると

マネージャーも連れずに現れたモデルのような゛miray゛への様々な噂で、社内は騒然となった。
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