枯れた涙にさようなら。


始まりは高校に入ってから仲良くなった関谷(せきや)哲平(てっぺい)に言われた一言からだった。

「は?!かすみのメアドが知りたい?!」
「ちょ、声でかいって喜一!あと、正確には教えてもらってもいいか聞いてきてほしい!」

突然幼馴染のメアドが知りたいなんて言ったら誰だって驚くだろ!

「…ていうか……なんで?」

知りたい、なんて言ったんだからそりゃ何か理由があるんだろう。コイツとかすみとの共通点なんて、検討は付かないが。

「なんでって……あのなぁ喜一。男が女子の連絡先知りたいって言ったら気になってたり気があるからしかないだろ!」

え?気がある…?
かすみに…?

「そもそもなんでメアド?LINEじゃダメなわけ?」

俺らの会話をそばで聞いていた、もう一人の高校になってからつるんでいる友人・津山(つやま)孝宏(たかひろ)が哲平に聞く。

このご時世LINEを使っている人はほとんどで、そんな中メアドを聞いた理由が知りたいのだろう。
表現の間違いとか言葉の選択ミスとかあるだろうに、そこを突っ込んでくるあたり津山だなぁと思う。

まぁでもそうではなくて、きちんとした確かな理由があってこそ哲平が『メアド』という言葉を使ったことを俺には分かったんだけれども。ただ一つ別に疑問点が出てくる。

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