果報者
「なんかあったか?」





出来るだけ優しく。
彼女の身長に合わせ
目線の高さに腰をかがめる。







「我慢せんでええよ。
ちょっと疲れたなぁ。
よう頑張っとる。」






頑なに首を振る彼女を
そう言って抱きしめてやると
俺の服は濡れた感触がした。



今、まこは泣いてる。
必死に隠してるつもりやろうけど
いっつもバレバレやねん。




それでも気付かんふりして








「今日な、めっちゃおもろいことあってん。」







話を無理矢理にでも変えた。
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