果報者
時計はとっくに12時を超え
真っ暗な部屋の中で
彼女の鳴き声だけが響いてた。



なんでこんなことになったのかも
思い出せへん。







”結婚したい”






2度目の言葉だけが頭を巡る。



結婚したくて泣いてるんか?
結婚するって言ったら泣き止むんか?



結局俺の話は聞いてもらえないまま
時間だけが過ぎる。



プロポーズを彼女からさせて
それも2回もさせて



どっち共曖昧に返事して
ほんまに何やってるんやろう。



結婚出来ひんのだって
今はタイミング的にも
違うって思っただけで



当たり前に俺は遠い未来、
彼女と結婚するんやろうって
思ってたから。







「.....ん、ごめん。
もう、だいじょぶ。」


「...................」
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