現実主義の伯爵令嬢はお伽話のプリンセスと同じ轍は踏まない
「それは事業が上手くいくのをって事?」
「いや、それは大前提。その上で君が僕を愛してくれるのをって事をさ。その状況が整うのをって言ったほうがいいかな」
自分の事のはずなのに、ヴェネディクトの言っている意味がさっぱり分からない。グレースはん?っと小首を傾げてヴェネディクトに説明を促した。そんな子供のような仕草にヴェネディクトも思わず吹き出してしまう。
「そんな純真なくせに凄ーく頑固だから困るんだよ、まったく。グレースは誰かが求婚してくれてあの家を出るなんて望んでなんかなかったろ?どうやって自力で自分を守るか、環境を良くするかしか考えてなかった。違う?」
「違わない……かな」
プリンセスみたいに他人をあてにするなんて絶対にしないと、自分の力でなんとかしてみせるのだと強く思って来たし、その為に考えて行動だってしてきた。図書館司書の職に就こうと思ったのも、だからこそだ。
「でしょ?だから今回、司書に空きが出るって話はチャンスだと思ったんだ。グレースにはどうにかして司書として仕事を得てもらって、そしたら僕が告白してもちょっとは考えてくれるかなって。きっと僕がまだ事業で成果を出してなくってもこのチャンスを逃さなかっただろうな。仕事を得たグレースなら僕を養う為に結婚するって言ってくれそうだし、結婚しちゃえば愛しあえる自信はあるし」
「いや、それは大前提。その上で君が僕を愛してくれるのをって事をさ。その状況が整うのをって言ったほうがいいかな」
自分の事のはずなのに、ヴェネディクトの言っている意味がさっぱり分からない。グレースはん?っと小首を傾げてヴェネディクトに説明を促した。そんな子供のような仕草にヴェネディクトも思わず吹き出してしまう。
「そんな純真なくせに凄ーく頑固だから困るんだよ、まったく。グレースは誰かが求婚してくれてあの家を出るなんて望んでなんかなかったろ?どうやって自力で自分を守るか、環境を良くするかしか考えてなかった。違う?」
「違わない……かな」
プリンセスみたいに他人をあてにするなんて絶対にしないと、自分の力でなんとかしてみせるのだと強く思って来たし、その為に考えて行動だってしてきた。図書館司書の職に就こうと思ったのも、だからこそだ。
「でしょ?だから今回、司書に空きが出るって話はチャンスだと思ったんだ。グレースにはどうにかして司書として仕事を得てもらって、そしたら僕が告白してもちょっとは考えてくれるかなって。きっと僕がまだ事業で成果を出してなくってもこのチャンスを逃さなかっただろうな。仕事を得たグレースなら僕を養う為に結婚するって言ってくれそうだし、結婚しちゃえば愛しあえる自信はあるし」