現実主義の伯爵令嬢はお伽話のプリンセスと同じ轍は踏まない
「その自信は、あるんだ?」

「勿論!グレースが根負けして僕を愛してくれるまで愛し続ける自信は誰にも負けないくらいあるよ!」

「あ、なるほど……」

なんだか多少拗らせているみたいだけど、それくらい愛してるくれてるって事だろう。ヴェネディクトも勢いで余計な事まで言ってしまったと苦笑していたが、コホンっと咳払いをして話を本題に戻した。

「だから仕事を教えてくれる場所を探してるって聞いてグランサム公爵に頼み込んでさ。詳しい事情も説明しなきゃだから、すぐに手紙も書いて従僕に持たせて」

「待って!じゃあ手紙って郵便に頼んだんじゃなくて」

「僕の従僕に直接持っていってもらったんだよ。すぐに書いてもらったグランサム公の返事を持って帰って来させたから大変だったろうけど」

「まぁ……」

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