雨色のてるてるぼーず
すごい子にあってしまった。






話したのは少しの間だけだったのにどっと疲れがきた。






はぁ…と近くにあった柱にもたれかかる。






すごい綺麗な子だった。






だから『奪う』という言葉が頭の中でぐるぐると回っている。






不安で陽にメールしてみようかと思ったがやめた。






中村さんも正々堂々戦うわけだ。






陽を巻き込んでもいけないし何も言わないことにした。






だ、だけど…





「だけど絶対に負けないんだからーー!!!」






気づいたら大きな声でそう叫んでしまっていて周りの人にぎょっと見られる。





居心地が悪くなって逃げるように駅をあとにし塾に向かった。
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