雨色のてるてるぼーず
「うん。幼稚園から家が近いの!」





そう言うと陽は「ふーん」ととても興味無さそうに、だけどとても低い声でそう言った。





何故か陽がすごい不機嫌な気がする。





電話の向こうからイライラがつたわってくるようだ






私なにか怒らせただろうか…






陽が何に怒ってるのかわからず戸惑う







「な、なんか怒ってる…?」






「いいや。全く怒ってないけど?」






また沈黙。






これは絶対に怒ってる、そう思ってとりあえず謝ろうとしたが






「水葉の塾ってどこだっけ?」






「○○駅の山田塾ってとこだよ。なんで急に?」







「明日から塾終わったら迎えに行くから。水葉を家まで送る」






「えっ!だってそれじゃあ陽が大変だよ!てか迷惑かけちゃうし、夜遅いし!」






「でも……」






でもの後がよく聞き取れず聞き返す。






「えっ?なんて言った?聞こえないよー」






「なんでもない。とりあえず迷惑じゃないから明日から迎えに行く」





陽は力強くそう言い放った。
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