運命だけを信じてる

仰向けになった私に迫る整った顔。

嫌だとは、思わなかった。


「少しだけ、いいですか?」


至近距離で呟かれた言葉に、余裕がなくなっていく。


彼は右手で私の手をとり、絡めた。

解こうとすれば簡単にそうできる優しい力。
拒む選択肢もちゃんと用意されている。


「前山 有希さん。あなたを愛しています」


「小牧さん…」


彼の吐息がかかる距離で告白されて、胸の鼓動が速くなる。私はこのままーー


目を閉じると、額に熱を感じた。


それが小牧さんの唇の熱だと分かってしまったから、恥ずかしくて目を開けなかった。


「ーー進みたいけど、やっぱり止めにします」


すぐに温もりが離れていく。



「どうして…」


「前山さん疲れてるでしょう。ご飯食べて早く休みましょう」


「……」


「でもすみません。僕も、男ですから。このまま一緒にいたら、無理強いしてしまいそうです。ご飯はルームサービスとってください」

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