神志名社長と同居生活はじめました
「け、結婚って⁉︎」

想像もしていなかったワードに、思い切り戸惑う。
結婚だなんて、尚とすることすら、まだ考えていなかった。


そもそも私と社長は付き合ってすらいない。



「な、何故私なんですか?」


花束を持って求婚……それって、社長が私を好き……って思ってくれているってこと?

社長と平社員という関係上、仕事で接点なんてほぼない。
間瀬さんのような美人になら一目惚れされたという線も考えられるかもしれないけれど、私に限ってそれはない。……自分で言ってて虚しいけれど。


何故、私を好きになってくれたの……?


と、思ったら。



「ここのところ仕事が忙しくて。仕事に集中出来るように、そろそろ生活を支えてくれる人が欲しいなって思って」


……はい?



「誰かいないかなって考えてた時に、ちょうど失恋した人を見付けて」

「んなっ⁉︎」


ひ、酷い! 誰でもいいってこと⁉︎
何で私を好きになってくれたんだろうーーだなんて、うっかり思い上がってしまった!



「そ、そんな理由なら絶対に嫌です! 他の女性を当たってください!」

「ああ、ごめん。怒らないで。誰でも良かった訳じゃないよ。木月さんは、真面目だし仕事も出来るって社内で評判が良いから選んだんだ」

「お褒めに預かり光栄ですけど、この場のフォローとしては受け入れられません!」

「フォローじゃなくて事実だよ。おまけに可愛いし」

「かっ、可愛いなんて絶対嘘!」

私みたいな地味な女、可愛い訳がない。
最初は同じようなことを言っていた尚だって、結局は間瀬さんのような美人を好きになったんだから。
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