毒は甘くて苦いだけ
「うわぁ…。吐きそう……」

真央がえづく振りをし、望美やこころはクスクス笑う。あの女の子は騙されている。それを今から伝えるのだ。

「君が好きだ!俺と付き合ってほしい」

将馬の告白に、女の子は考えることもなく「はい!」と答える。将馬がまた落とせたと言いたげな表情を見せたのを、こころたちは見逃さなかった。

「あいつ、やっぱりクズだな」

「それじゃあ行きますか!」

そんなことをこころたちは話す。将馬と女の子は、もうキスをしようとしていた。

「ちょっと待った〜!!」

全員で声を揃えて飛び出す。将馬も女の子も驚いた顔を見せている。それでも美男美女。いい絵になる。

「お嬢さん!その近藤将馬って男はね、女の子を落としてはすぐにポイする最低男だよ?それでもあなたは彼と付き合うわけ?」

真央が意地悪な目を向ける。女の子は、「えっ?どういうこと?」と将馬を見つめた。将馬は顔色を変え、焦っている。

「ち、違う!!俺は誠実な人間さ!君のことを本気で愛してるし、大切にする!あの子たちは俺に告白したけど振られた逆恨みをーーー」
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