Toxic(※閲覧注意)
自分自身にどんな異変が起きても、淡々と仕事をする日々は変わらない。

結婚した時も離婚した時もそうだったし、今だってそうだ。

不倫なんて始めて、さらに大和の家庭の衝撃的な話を聞いても、普通に仕事をする。

私はどんだけ社畜なんだろう。

まあ実の所、奥さんの話を聞いたお陰で、いわゆる不倫の罪悪感からは解放されつつある。

それでも倫理的にも法的にも、私は間違っているのかもしれないけれど。

仕事は以前よりだいぶ落ち着いて、3時間も4時間も残業したりする必要はない。

それは同じ業界の大和も同じらしく、水曜日の仕事帰りには、一緒に軽く食事をした。

連絡もかなり頻繁に来るようになった。

なんだか急に、恋人らしくなった気がする。

そして金曜日、先週と同じように、大和はうちに泊まりに来た。

「週末しかゆっくり一緒にいられなくて、ごめんね」

私の体を、それこそ骨まで食べ尽くしたあと、大和は私を抱き締めたままそう言った。

「ううん、平日は仕事もあるし。それに大和、無理でしょ?」

「まあね、大好きなパパが帰らないと、子供が淋しがるしなあ」

その子供は血が繋がっていないというのに。

どんな精神状態で、そんなことを言っているのだろう。

少しだけ心配になる。

「ま、週末は泊まり来るからさ。響子も、金夜から土曜だけは毎週空けてね」

「うん、わかった。……あ、でも、明日は同窓会だから、夕方出かけちゃう」

「へえ、 そうなんだ?」

「うん、高校の時の」

「……そっか。すごく楽しみじゃん」

大和はまるで自分のことのように、とても楽しそうに笑った。
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