Toxic(※閲覧注意)
やっと来た初めての連絡が、こんなタイミングだなんて。

とりあえず「起きてるよ」と返信すると、

『今何してるの?』

すぐに返事が返ってきた。

何してるって……柴宮さんをオカズにエロいことして自己嫌悪してましたけど。

なんて答えられるわけもなく、苦笑いしながら「ゴロゴロしてた」と返した。

『今1人?』

私が「うん」と送信すれば、すぐに電話が鳴った。

電話?

とりあえずツーコールほど待ってから、通話ボタンを押す。

だって、すぐ取ったらなんか……すごく喜んでるみたいじゃん?

それにしても、2週間も放置して急に電話なんて、どういう風の吹きまわしだろう。

「はい」

『やっほー、ハニー』

おどけて言った彼の背後から、「白線の内側に下がって……」という駅のホームのアナウンスが聞こえる。

「……なにハニーって。それより電車来てるけど?乗らないの?」

『ああ、もう降りた所。休日出勤させられて、ついでに上司の酒に付き合わされて、もうクタクタ』

やはりオンシーズン、彼もご多分に漏れず、相当忙しいようだ。

「あら、それは……ほんとお疲れ様」

『お互いね。夏目さんもかなり忙しいでしょ?』

「まあね、13連勤した所」

『うわー、死なないでね。……ところでさ』

柴宮の声のトーンが、急に少しだけ低くなった。

「なに?」

『夏目さん、そろそろ俺に会いたくなった?』

柴宮がどんな表情で言っているのかが、容易に想像できた。

きっとあの、ちょっと人を食ったような、生意気で自信満々な、でもとびきりセクシーな笑顔をしているのだ。

ムカつく。
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