砂時計が止まる日


濡れた者同士、びしょびしょのまま互いに触れ合うことなんていい感覚を覚えるものではない。



でも、この時は互いの体温を感じることが出来て嬉しかった。



私たちは生きている、一緒にいる。

そのことを強く噛み締められるから、その感覚に不快感は覚えなかった。



夜遅く、もう既にびしょびしょで意味もないけれど2人で傘をさして家へ帰った。



「ありがとう、お姉ちゃん。」



「こちらこそ。」



心菜の“ありがとう”は何への感謝か、それは定かではないが、ただ私は心菜が私と一緒にいてくれることに“ありがとう”と伝えたい。

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