砂時計が止まる日


他の人からしたら馬鹿な話かもしない。



でも私たち姉妹にとってはこの話なしでは思い出を語ることの出来ないもの。



「お姉ちゃん、私ねもう中学生になるんだよ。

中学生になれば今よりももっとたくさんのことが出来るようになるの。



今日、学校で美衣ちゃんに

『心菜はアイドルになりなよ、心菜ならなれる!そしたら、由羅ちゃんのお手伝いも出来るし今よりももっと心菜が可愛くなる』って。



だからね、私アイドルになる。

今までずっとお姉ちゃんだけのアイドルだったけどこれからは本物のアイドルをやりたいの。



これが私のワガママだよ。」



心菜の“ワガママ”はワガママというには惜しいものだった。



「大丈夫、心菜は絶対になれる。

日本一、世界一のアイドルになれる。



でも、ずっと私の、お姉ちゃんのアイドルでもいてね。



アイドルは大変だと思う、ずっと努力し続けないといけない。



でも心菜は私の自慢の可愛い妹だから。



私のことを信じて頑張って。

私がここにいる限りは、私を信じていて。」



「うん、私はずっとずっとお姉ちゃんを信じてる。



ずっと私と一緒にいてね。」



心菜はそう言って私に抱きついた。

< 133 / 200 >

この作品をシェア

pagetop