砂時計が止まる日

To meet you is my happiness.



私は生徒会の仕事で訪れた特別棟にいた。



この高校には普通教室のあるA棟、特別教室や生徒会室、小さなホールのあるB棟。
体育館や講堂、図書館のあるC棟。

そして一般の生徒は職員室に行く時以外は立ち入ることのない、来賓への応接室、校長室、学院長室などがある特別棟。



事務室から応接室の備品の不足を聞き、補充に来たのだ。

生徒会は目立つ仕事ももちろん多いが目立たないこんな雑用のようなことまでも行う。



他の校舎より少し明るく感じる廊下を歩いていた。

吹き抜けの階段を降りて少し歩いた所にある扉が少し開いていた。



学院長室。

ここの教育母体、白川学院のトップである学院長が滞在している部屋。

生徒が立ち入ることは禁止されている。



その部屋の扉が小さく開いている。
普段はしっかり閉められて、時には施錠までされていることもある。

自然とその扉に手を伸ばしていて、それに気付いた私は腕を引っ込める。

好奇心と理性の戦い。

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