砂時計が止まる日
その手紙を読んだ僕の頬を涙が伝う。
新垣が亡くなってから初めて涙が流れた。
人目も気にせず泣き叫んだ。
僕は君のいない世界で、これからも生きていく。
なんで、病気の人をここまで愛したのだろう――
いや、違う。
きっと病気を抱えていようとそうでなくてもきっと強くて弱い新垣由羅という人を好きになった。
ただ、彼女が病気を抱えていただけ。
でももし、彼女が病気じゃなかったら...
僕らはずっと互いの居場所としてちょうどいい距離感で一緒にいただろう。
それがいつまで続いたかわからない。
今とは少し違う関係になっていたかもしれない。
どうなっているのかなんて、僕らにはわからない。
ただ、僕はこれまでの彼女との思い出と幸せを心にこれからも生きていく。
あの日、僕らの時間が大きくずれた。
僕らの幸せが大きく変わった――
砂時計が止まる日。
それは、彼女が僕に希望を与えてくれた日。
―――砂時計が止まる日
Fin..✧︎*。