僕とあなた 2
ーお久しぶりです。
「お久しぶりです。」

ーその後はどうですか?
「良くないです。」

ーそれはなぜ?
「分かりません。あなたを手に入れたはずなのに。」

「あなただったものを。」

ーそうですか。
「はい。」

ー人間ですね。
「はい。人間です。」

ー不思議な気分です。
「はぁ。そうですか。」

ーはい。

ーあなたはどうですか?
「どうもこうも、良くないですよ。」

ーそうですか。大変ですね。
「はい。」

ーどうしたいですか?
「そうですね。もっとこう、こう、なんか。こう。」

ー分かりませんか。
「はい。残念ながら。前と同じで。」

ー何が欲しいですか?
「それはやっぱりあなたです。」

ーですよね。
「はい。」

ー前回のようにはいきませんよ?
「はい。」

ー私はあなたで、あなたは私です。
「難しいですね。」

ーふふふ。ですよね。そう思います。
「はあ。」

ーあなたは私になって、私はあなたになりました。
「そうですね。」

「僕はあなたになって、あなたは僕になっているみたいですね。」

ーはい。どうですか?
「よく分かりませんね。」

ーそうですか。

ーあ、桜が咲いていますね。
「そうですか?」

ーはい。外を見てみてください。
「ちょっと、見れないですね。」

ーそうですね。残念です。
「はい。すみません。」

ー……………。
「……………。」

ーこの前、キンギョソウを買ったんですよ。
「はい。」

ーまぁ、それだけです。
「え、それだけですか。」

「なんともまぁ、あなたらしい。」

ーふふ、そうですか?それは良かったです。
「…………。」

「ああ、なるほど。」

ー分かりましたか?
「はい。ありがとうございます。」

ー外はどうですか?
「ああ、確かに桜が咲いてますね。」

「でも散りかけています。」

ーはい。
「あれ?桜の下にあるのはあなたですか?」

ーーーーー。
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